父性と母性

「子ども社会というけれど、大人社会の優先が目につく」。佐々木正美先生ファンの保育士さんから言われました。このままでは子どもたちに優しい心が育つのか心配だ。佐々木先生がご存命中だったらなんておっしゃるか知りたいと。

かなり前から言われたことに、「母を無くした日本人」という警鐘がありました。
母なるものとは「優しさ、包容、許し」などプラスの感情が言われますね。こうした感情が低下してきているというわけです。逆に父なるものの負の部分、例えば「支配的、権力的」など優しさと対極的な感情が親に増えていると。

そこで、先生の講座のお話から紹介します。ただし、講座受講者には父性なるものと、母性なるもののお話が前段にありましたので、ご承知ください。

「よく『子どもには母性と父性をバランスよく与えることが大事』と言われますが、もっと大切なことは、順序よく与えなくてはいけないと言うことです。それは、私は誰かに教えてもらったという風には思えません。自分自身で何十年もの臨床体験の中で、はっきりと分かったと感じています。父性と母性は「バランス」ではなくて、「順序」が肝心だということ。どちらを先に与えるべきかと言えば、言うまでもなく、母性性の方です。
先に「こうしてはいけない」「こうすべきだ」ではなく、子どものありのまま、すべてを容認する母性性をまず与えなければいけません。
母性的なものをたくさん与えられると、父性的なものは与えやすくなります。喜びを分かち合う力が育っていないと悲しみを分かち合う力は育たないと言いましたが、これと似ています」


父も母も祖父母そして保育関係者も、母なる感情を優先することを先生は教えられました。

子どもの心が育つ方途、カギを先生が真剣に話されたことを思い出します。
「希望とは生きる力の源泉」、佐々木正美先生の言葉です。
希望溢れる子どもたちの社会をつくりたいですね。
子育て協会

顧問:佐々木正美(精神科医)
代表:杉浦正明
「子どもの健全育成」「子育て家庭の支援 」「教育・保育者の研修・育成」「子どもが育つ地域社会づくり」を目的に活動、幅広い子育て支援・家族支援を行っています。本ブログでは、子育て協会からのお知らせや佐々木正美先生の書籍などをご紹介しています。

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